【コロナでお困りの方へ】

当院ではカゼの患者を含め、通常どおり診察を行なっております。 まずは留守電(873−5503)へメッセージをお願いします。 当院は、時間を調整して、1人ずつ来院いただき診察を行なっています。 
本院より2〜3kmなら往診も可能です。 院長はネコなどにアレルギーがあるため、玄関で手早く診察をさせていただく場合があります。 検査、投薬とも患者の希望をうかがった上で行います。

コロナPCR検査できます。(希望しなければ検査はいたしません) 
早急な診断と治療が救命につながる方、つまり持病があり一人暮らしの高齢者などを対象と考えています。 まず、電話で相談下さい。 コロナ検査以外の発熱の方は、発熱加算(3割自己負担 で900円)は不要です。
 働く世代は感染しても半分が無症状で、死亡率は1000人に1人より少ないという、アメリカ海軍からの報告があります(Kasper 2020)。 また若者(20代)は、9割が無症状でした(Letizia 2020)。 高齢者でも、無症状が8割との報告がありますが(White 2021)、 死亡率は若者より高く、100人に2、3人と思われます(厚労省、国立感染研のクルーズ船報告)。 したがって、院長としては、高齢者に医 療資源を回すべきだと考えています。 感染が確定した場合は、コロナ新薬を処方できます(メルク社、ファイザー社)。

コロナで仕事を休まされた時
コロナ不況で勤め先が休業になったり、約束していた仕事がもらえなくなった場合、
コロナ対策として一律に発熱者などを休ませている場合、
 非正規でも勤務先に休業手当を求めることができます。 そして、雇い主は国から、休業手当の助成を受けることができます。 小規模事業の場合、コロナ特例で賃金の90%に当たる助成が受けられます(厚労省サイト)。
 会社に確認書を記入してもらい、休業手当を国から直接受ける方法があります。
コロナ感染で会社を休む場合、仕事で感染した可能性が少しでもあれば、労災を申請しましょう。 初診日が発病日となり、休業補償は、4日目から給料80%受けられます。 傷病手当(66%)より有利です。 
 一般に、100人以上の事業所で労災が発生すると、保険料率が上りますが、コロナ労災の場合はありません(基準局に確認済)。 したがって、事業主も積極的に申請を促すとよいでしょう。

マスクの防御力
病院におけるインフルエンザに対するマスクの防御率は、5割という報告がある一方、家庭における使用では効果がなかった の報告もあります(MacIntyre 2009,2017)。 新型コロナの場合、ウイルスの半分以上がマスクを通過することや、マスクで2部屋をしきったハムスター同士で伝染することが報告 されていま す(Ueki 2020、Chan 2020)。 したがって、マスクの効果は、多くの人が期待する程ではないと思われます(Abaluck 2022,  Bundgaard 2022)。 
 また、布マスクは水分を含むので、毛細管現象によりウイルスを通す可能性が指摘されています。 ウイルスを捕獲する一面もあるため、捨て惜しみしたり、 外したものを裏表逆につけるなど、扱いを誤れば、効果も逆になる可能性があります(MacIntyre 2017,2015,2009, Wong 2006)。 一方で、人同士の距離を倍にすると、マスク1枚分の効果があるようです(Ueki 2020)。
 コロナウイルスは、たった200匹のウイルスでも感染が成立するとされます(DeDiego 2008)。 マスクより、自身のはねかえす抵抗力を信じることの方が大切でしょう。 マスクは咳エチケットとして有用ですが、無理強いするのは間違いかと思われます。

食べる前には手を洗おう。 つかみ食いはやめましょう。
体へ一度に入ったウイルスの量で結果が変わると院長は考えています。 少量ならワクチンのように発症せず免疫ができるかもしれません。 病は口から入り、 災いは口から出るともいいます。 「鼻際」ではなく「口際」対策でいきましょう。 ウイルスは加熱に弱いので(Duan 2003)、暖かくしたものを早めに食べるとよいでしょう。

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コロナ関連の罰則に要注意

コロナ対策の社会的影響について考える資料

参考文献等;
Abaluck et al.  Impact of community masking on COVID-19: A cluster-randomized trial in Bangladesh.  Science. 2022 Jan 14;375(6577):eabi9069.
バングラデシュの600村で行った無作為割付研究。マスクを配布し、着用率を調査し、配布しなかった村と、コロナ症状申告数を比較。 コロナ申告数はマスク村で1割減。 高齢者では、コロナ疑い症状は2割弱減少、コロナ疑いの抗原陽性率は、3割減少。 
コメント:研究はマスク着用義務違反に罰金を定めた環境で行われた。 罰金つき義務のマスク配布+監視でみんなヤバイと感じた可能性が高い。 監視効果 (Hawthorne effect)の影響も考えるべきだ。

Bundgaard et al.  Effectiveness of Adding a Mask Recommendation to Other Public Health Measures to Prevent SARS-CoV-2 Infection in Danish Mask Wearers.  Ann Intern Med. 2020 Nov 18 : M20-6817. PMC7707213 PMID: 33205991
Henning Bundgaard,
デンマークで、参加をつのり、マスク有・無の効果を各群3千人で検証(2020年4−6月)。 マスク群で最後まで真面目に守った人、大体守った人半々で 合わせて9割。 全員に検査キットを送り、1ヶ月後の新型コロナ感染率はマスク群1.8%,マスク無し群2.1%(有意差なし)。 
コメント:マスクの感染予防効果は、あっても1ヶ月で1〜2割。

Chan et al.  Surgical Mask Partition Reduces the Risk of Noncontact Transmission in a Golden Syrian Hamster Model for Coronavirus Disease 2019 (COVID-19).  Clin Infect Dis. 2020 Nov 19;71(16):2139-2149.
マスクで2部屋をしきったハムスター同士で伝染。

DeDiego et al.  Pathogenicity of severe acute respiratory coronavirus deletion mutants in hACE-2 transgenic mice.  Virology. 2008 Jul 5; 376(2): 379–389.
たった200匹のウイルスでも感染が成立。

Duan,  Stability of SARS coronavirus in human specimens and environment and its sensitivity to heating and UV irradiation. Biomed Environ Sci. 2003;16:246
ウイルスは加熱に弱い。

Kasper et a l.  An Outbreak of Covid-19 on an Aircraft Carrier.  N Engl J Med. 2020;383:2417-2426.
米軍空母が13日の航海中、4779人中、1271人がPCR陽性となり、1名が死亡した。 PCR陽性のうち、4割が無症状だった。年齢は平均27才(18ー59才)、死亡率は1000人に1人未満である。

Li Y, Wong T et al. In vivo protective performance of N95 respirator and surgical facemask. Am J Ind Med. 2006 Dec;49(12):1056-65.
水を通すマスクは逆効果(布・ガーゼ・紙)。 ウイルスは水分に乗って口側へ。 医療マスクの青いのは防水面。

Letizia et al.  SARS-CoV-2 Transmission among Marine Recruits during Quarantine. NEJM. 2020;383:2407-2416.
アメリカ海軍に採用された18ー31才(8割が20才以下)3467人。コロナPCR検査を2週間の中で、初日、7日目、最終日の3回行った群と最終日に 1回だけ行った群を比較(それぞれ、1848人、1619人)。最終日までに前者では51人、後者では26人コロナが見つかり、隔離された。PCR陽性者 のうち、9割が無症状だった。
コメント:検査をすればするほど陽性者が見つかるが、ほとんどの人にとっては何の利益にもならない。

MacIntyre et al.  The efficacy of medical masks and respirators against respiratory infection in healthcare workers.  Influenza Other Respir Viruses. 2017 Nov;11(6):511-517.
文献を集めて集計。医療マスクのインフルエンザ様症状に対する効果は、5割(相対危険度0.49 [0.12‐2.07])。 確定診断したインフルエンザに対する効果は、2割(相対危険度0.81 [0.25‐2.68]。 ウイルス感染に対する効果も,2割(相対危険度0.84 [0.38‐1.85])。 いずれも統計的には、有意な効果でないことに注意。

MacIntyre et al.  A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers.  BMJ Open. 2015; 5(4): e006577.
BMJ Open. 2015; 5(4): e006577.
布マスクをつけると、カゼ感染率は、つけない場合の1.4倍に。

MacIntyre et al.  Face Mask Use and Control of Respiratory Virus Transmission in Households.  Emerg Infect Dis. 2009;15: 233–241.
家庭におけるインフルエンザ症状を、医療用マスクで減らせるか調査した無作為割りつけ研究。 インフルエンザ症状は、マスク使用で20%、マスクなしで16%と、有意ではないが、なぜかマスクをした方がインフルエンザ症状が多かった。

Ueki et al.  Effectiveness of face masks in preventing airborne transmission of SARS-CoV-2.  Msphere 2020;5:e00637-20.
東大による研究。 新型コロナウイルスの半分以上がマスクを通過した。 原著より; “it is difficult to completely block this virus even with a properly fitted N95 mask.” (「N95でさえ、ウイルスの完全ブロックは困難」)

White and Yang.  Incident SARS-CoV-2 Infection among mRNA-Vaccinated and Unvaccinated Nursing Home Residents.  N Engl J Med. 2021 Jul 29;385(5):474-476. PMC8174028 PMID: 34010526
介護施設からの感染報告では、接種・非接種にかかわらず、7〜8割は無症状だった。 入所者は、70、80代が中心。(接種群の中央値78才、 半分の人が68〜87の範囲 ) 
コメント: 60代より若い人も一部、入所しているが、若い人についても大多数が無症状率であることが、わかっているので(上記Letizia、Kasperなどより)、この報告と合わせると、 老若男女問わずコロナ感染は大多数が無症状ということがわかる。

休業手当
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q4-1
事業主による独自の判断が入った休業の場合、労働基準法第26条より、平均賃金の100分の60以上を支払わなければならないとされています(問1よ り)。 パートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者など、多様な働き方で働く方も含めて、休業手当の支払いが必要です(問10より)。

雇用調整助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
2020年4月よりコロナ特例があります。

厚生労働省 「横浜港で検疫中のクルーズ船に関連した患者の死亡について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/index.html の2020年 2,3月参照
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09652.html など
死亡者の内訳(13人中)
年代: 80代 4人、70代 5人、60代 1人、 不明 3人
コメント:70才以上の人数は9〜12人の範囲にある。

厚生労働省 「人口動態統計月報年計の概況(平成15年)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai03/deth.html
70才前半から5才区分の年間死亡率、男3,4,7,13,22 女1,2,4,8,16 (%)

国立感染症研究所 「現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例」 2020年2月26日
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9422-covid-dp-
2.html
ざっとした計算で、
70才以上の感染数は300人、乗船数は1200人。 全体死亡13人中、70才以上の人数は9〜12人推定。 したがって、死亡率の推定範囲は、 9/1200から12/300つまり、1〜4%となる。 有症状率(124/288 = 4割)が最近の知見2〜3割(White 2021)より高めなので、実際の感染者は、より多かったと思われる。
 上記コロナ推定死亡率は、高齢者の年間死亡率と同じ程度あるいは低い(男性70代前半3%、80代前半7% 厚労省)。 つまりコロナだけを怖がっても仕方がなく、余生を大切に使うという視点が大事ではないかと思う。