【義務表示】

まえおき
診療点数の特殊項目を算定する場合は、それに応じた内容を院内掲示しなさいという、厚労省の決まりがあります。 これが2024年から、ホームページがあるなら、こちらでも掲示しなさいということになりました。 
 ホームページがなければ、掲示しなくてよいのに、あると掲示しなくてはいけないというのは、なにか税金のようでもあり、 また、新たにホームページの内 容まで手を入れてきたというのは、何か言論の自由など国民の権利が侵害されているような気持ち悪さがあります。 一方で、これは、ホームページは広告でな いという厚労省の建前によるものととらえることもできます。 つまりホームページは、一般大衆への広告ではなく、訪問者がやってくる院内の一部ということ になります。 リアルの院内に来ないオンライン患者に対しても掲示しなさいということかもしれません。

オンライン診療
初診で向精神薬 (眠剤、安定剤、抗うつ剤など) は処方いたしません。 リアル診察でもなるべく処方しないよう心がけています。

ジェネリック処方について
薬の名前には、商品名と化学物質名(一般名)があります。
 一般名 を書いた場合、 処方せん料金が数十円高くなりますが、薬局で、価格が安い「ジェネリック」を受け取ることができます。 ただしジェネリックは、メーカー の相次ぐ不祥事と生産停止により欠品する傾向があり、先発品となる場合があることを承知願います。 また、後で気が変わった場合は、薬剤師と相談して先発 品に戻すこともできます。
 過去に、ジェネリックの高血圧薬から発ガン物質が、米国FDAにより発見され、日本でも、追随してリコール騒ぎとなりました。 ジェネリックメーカー は、インドや中国のメーカーが独自の合成法で作った原薬を製品化しています。 日本のジェネリックメーカーの技術力や検査体制では、違反物質の混入の発見 は難しいと思われます。 (Byrd NEJM2019;380:1589, 当院ブログ解説) 
 また、合成法が違うと、光学異性体といって同じ化学式でも、左手・右手のように鏡の世界の物同士が生成される割合も違ってくるので、効果や副作用に影響 する可能性があります。 例えば 光学異性体同士の(S)-サリドマイドには催奇形性があり、(R)-サリドマイドにはありません。(Blaschke 1979) これは(S)-サリドマイドが10倍も強い力で細胞分裂などを調節するタンパクと結合するからです。(Ito 2010, Mori 2018)  
 そのため、当院としては、先発を選ぶ意義は十分あると考えます。 先発メーカーが公認したジェネリックの場合は、製法が先発メーカーと全く同じなので安心です。 不明な点などがあれば、十分納得いただけるよう説明しますので、相談ください。 

当院ブログ「汚染されたジェネリック」 も参照下さい。
https://blog.goo.ne.jp/saiwaihappinessclinic/d/20190519

リフィル処方について
病状が安定して、薬を長く出す場合、 単に日数を長くする方法だけでなく、 処方せんを薬局に渡さず見せるだけで、繰り返し三回まで使える 「リフィル処方」という方法もあります。 「リフィル」とは、「再び満タンにする」の意味です(リコールやリトライのリ、フルマラソンのフル)。  リフィル処方の良い点は、お金は余計にかかりますが、薬剤師と相談する機会が増えることです。 長期処方を受けている方は、リフィル処方も可能です。 希 望があればお知らせ願います。

参考文献;
Blaschke et al.  Chromatographic separation of racemic thalidomide and teratogenic activity of its enantiomers.  Arzneimittelforschung. 1979;29(10):1640-2.     PMID: 583234 [Article in German]
奇形をおこすのは(S)-サリドマイドだけ。

Byrd et al.  Hypertension Hot Potato — Anatomy of the Angiotensin-Receptor Blocker Recalls.  N Engl J Med 2019;380:1589-1591 
高血圧治療薬のジェネリックから発ガン物質。 インドや中国のメーカーが独自の合成法で製造したことが原因。
・ 9社の20銘柄のARB(Valsartan,Irbesartan,losartan)が2018/1月から 2019/3月にかけてリコールされた。
・ 近年グローバル化する薬の供給網を監視するため、FDAは中国、インド、南米、ヨーロッパに事務所を開いている。

Ito et al.  Identification of a primary target of thalidomide teratogenicity.  Science. 2010 Mar 12;327(5971):1345-50.
サリドマイドは細胞分裂などを調節する生体タンパクcereblon (CRBN) に結合することで胎児奇形をおこす。

Mori et al.  Structural basis of thalidomide enantiomer binding to cereblon.  Sci Rep. 2018; 8: 1294. PMC5778007 PMID: 29358579
 (S)-サリドマイドは、(R)-サリドマイドの10倍も生体タンパクcereblon(CRBN)とよく結合


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